当公益社団法人は、年に一度日本文化発祥の地・奈良で開催される、高校生が主役の大会「英語パフォーマンス甲子園」を共催することで、次世代の青年の育成に取り組んでいます。
アイデンティティに基づき「持続可能な社会に向けたアクションプラン」を世界に発信する
英語パフォーマンス甲子園は、高校生が自らの文化や伝統、環境や習慣を探求しながら持続可能な社会に向けたアクションプランを考え、国際言語である英語と言語を超えるパフォーマンスで世界に発信する大会です。
グローバル化が進展する社会においては、文化的背景を異にする多様な人々の交流が広範囲にわたって展開すると予想されるため、先を見通すことがより一層困難となります。こうした不確実性の時代には、自らのアイデンティティを確立しながら、自分が本当に伝えたいことを伝え、相手の伝えたいことを的確に受け取ることで信頼関係を築いていくことが必要です。
英語パフォーマンス甲子園は、こうした時代の要請を踏まえて開催されています。この大会を主催する団体として、2015年、「英語パフォーマンス甲子園実行委員会」が設立されました。内閣官房参与(当時)・元ユネスコ日本政府代表部特命全権大使の木曽功氏を顧問、帝塚山大学学長(当時)の岩井洋氏を委員長とし、実行委員会は教育関係者や観光関係者などで構成され、行政(奈良県・奈良市)もオブザーバーとして参画しています。当公益社団法人も、理事長が委員として参画するとともに、事務局も当公益社団法人内に設置することで、大会及び実行委員会を支援しています。
奈良を中心に関西の高校が出場 第2回大会を開催
一昨年の第1回大会に引き続き、2019年9月8日(日)、奈良県大和郡山市のDMG MORI やまと郡山城ホール(大ホール)にて、「第2回英語パフォーマンス甲子園」大会が開催されました。
大会理念は「ESD―つなぐ―つなぐことはうみだすこと」でした。持続可能な未来や社会につながる人材を育むというESD(Education for Sustainable Development 持続可能な開発のための教育)の趣旨に鑑み、この大会をESD実践の場とするべく、この理念が採択されました。
大会では、約450名の来場者と来賓の方々のもと、奈良県、大阪府から9校が出場し、多種多様な演目とパフォーマンス(音楽、劇、書道、コント、等)で舞台を盛り上げました。
一方、審査委員長の吉川宗男氏(ハワイ大学 名誉教授)、及び、柴尾智子氏(公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター シニアアドバイザー)、西島和彦氏(Youth Theatre Japan株式会社 劇団運営委員長)、スザンナ・パヴロスカ氏(Kyoto Journal 副編集長)の各審査委員により、独創性、コンセプト、表現力、英語力、チームワークの5つの審査基準による審査が行われました。
審査の結果、クラーク記念国際高等学校 大阪梅田キャンパスがグランプリ校(奨学金10万円)に、奈良県立郡山高等学校と奈良県立青翔高等学校の2校が準グランプリ校(奨学金5万円)に輝きました。また、奈良県立平城高等学校が特別賞(しかまろくん賞)を受賞しました。
「英語パフォーマンス甲子園」応援大使 キャラクター任命
今後「英語パフォーマンス甲子園」を全国へ発信するための応援大使として、3匹のひよこのキャラクターが任命されました。ESDの価値観、視点を育てることをこれから成長する「ひよこ」に例えています。第2回大会の来場者に3匹のキャラクターの名前を募集し、応募されたアイデアの中から名前が決定されました。
「カール」意味:culture
「ネイト」意味:naturee
「フュー」意味:future
「ESD」の普及啓蒙を図るべく、「0から学ぶ!ESD新聞」を配布
英語パフォーマンス甲子園実行委員会は、大会理念である「ESD」についての普及啓蒙と出場校の拡大を目的に、「0から学ぶ!ESD新聞」を概ね月1回発行し、これまでの出場校や今後出場が期待される高校等に配布しています。
「ESD新聞」では、「ESD」の目的、必要とされる価値観や視点についての解説をはじめ、地域社会における「ESD」取り組み事例の紹介、各出場校が大会で発信したアクションプランの「ESD」の切り口からの紹介、等の記事が掲載されています。
各高校では、先生方や生徒たちの目につく場所に掲示され、いくつかの高校から「ESDの基本的な考え方が理解できた」「大会への出場を考えてみたい」といった声も寄せられています。